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晴耕雨読―古本屋の読書日記
10月21日(日)
10月15日(月)
埴谷雄高他の著作で『精神のリレー』という本があった。この本の企画と似ているのがタモリの「笑っていいとも」というTV番組で、出演者が次々に知り合いをスタジオに呼ぶ趣向だ。二十世紀文庫の「特集」はこの趣向で行きたい。 二十世紀文庫「開店第一回特集」は「江藤淳」、「第二回特集」が「吉本隆明」、こうなると、年末になる「第三回特集」はどうしても「埴谷雄高」にならざるを得ないではないか。 この順番は不思議と年代が徐々に上に行くようになっている。そうなると、その次は誰か? この3人には今回のアメリカ同時テロ事件について意見を聞きたいところだ。
10月17日(水) 
米・英軍によるアフガニスタンの空爆が続いているが、一方、アメリカには郵便物で炭疽菌をばら撒いている犯人がいる。「バイオ・テロリズム」という言葉が毎日聞かれる。言い知れぬ不安が、アメリカ、いや、全世界に広がっている。21世紀は元々こうなることになっていたのか。「晴耕雨読―古本屋の読書日記」がテロ事件一色になるなんて、開店前には想像もしていなかった。
10月19日(金)
「沿線最大の書店」文教堂の二店舗を覗いたら、二店舗とも正面平台でアメリカ同時テロ事件への対応をきちんとやっている。「テロ」「イスラム」「戦争」「アメリカ」等の品揃えが充実しているのだ。こういう店舗つくりをしている限り、新刊書店が振るわないという風評はここにはありえないことになる。この書店大手チェーンは、古本屋にとっても刺激的な存在だ。 ちくま学芸文庫『江藤淳コレクション』が全4巻で完結した。残念なことは収録文に「抄」が多いことだ。江藤淳の業績を文庫本4冊でまとめること自体が無理なことだったようだ。あとは江藤淳が尊敬していた「小林秀雄」同様、「江藤淳全集」が出るのを待つしかないか。「全集」という点では、「吉本隆明全集」も「埴谷雄高全集」も欲しいところだ。